さたんの雑記

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ANAとJALの「新年のご挨拶」2017

ANAJALはともに自社のHPに「新年のご挨拶」として、社長の名前でメッセージを掲載します。年によってそのメッセージの内容に含みがあることもあるので、記録の意味も含めて残しておきます。

ANA

まずはANAから。

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

2017年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

昨年を振り返れば、成田=武漢プノンペンの2地点を新たに就航地に加えるとともに、成田=ホーチミン線の増便、羽田=ニューヨーク・シカゴ・クアラルンプールの3路線を新しく開設するなど、お客様にさらに便利に感じていただけるよう、国際線ネットワークのさらなる拡充に努めました。

同時に品質向上に努力した結果、航空業界格付け会社の英国スカイトラックス社から4年連続5スターの認定を受けました。また、日本の地域の魅力を紹介する「Tastes of Japan by ANA」による訪日外国人誘致と地方活性化の促進、そしてJOC・JPCのオフィシャルパートナーとしてリオ2016オリンピック・パラリンピック出場の日本代表選手団の輸送支援など、ANAらしくチャレンジを積み重ねた一年でした。一方で、お客様にご迷惑やご心配をおかけし、厳しいご意見や叱咤激励もいただきました。あらためてお詫び申し上げますとともに、再発防止や未然防止に真摯に取り組んでまいります。

今年は今後の成長のチャンスを見据えつつ、あらためて安全を基盤として、お客様によりあんしんしてご利用いただけるようなANAを目指して、品質の向上に一層努力してまいります。

そのうえで、2月の成田=メキシコシティ就航をはじめ、ネットワークの拡充も着実に進め、お客様の利便性を追求していきます。リゾート戦略ではホノルル線ビジネスクラスのフルフラット化も図っていきます。国内線では最大のネットワークを堅持しつつ、顧客接点でのお客様サービスの向上に努めていくとともに、訪日外国人誘客と地方活性化に向けた企画や運賃の工夫についても継続して取り組んでいきます。機材計画では、主力機のボーイング787型機やエアバス320/321neo型機など、高い燃費効率で環境に優しく機内も快適な飛行機への更新も積極的に進めるほか、東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーとして、旅客航空輸送サービスの改善にも努めてまいります。

今後とも、あらゆる環境変化に柔軟に対応しながら、安全を最優先にお客様にあんしんを感じていただけるANAを目指して、役員・職員一同精一杯努力してまいりますので、本年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

全日本空輸株式会社

代表取締役社長 篠辺 修

https://www.ana.co.jp/topics/notice_new-year17/

形式どおりの挨拶・振り返りから始まりますね。2016年は手荷物遅延事件とB787エンジン事件、定員超過事件と、ANAにはちょっと良くないイベントが重なった年でしたから安全性・信頼性に関わるコメントが長くなっています。

そして今後へのコメントは最低限に抑えています。8.10ペーパーが切れる一年で、JALとの競争が激化することが予想されることも関係しているでしょうか。国土交通省も露骨にANAに有利なことをし続けるのは厳しいですからね。

ホノルル線についてのみ具体的に発表されていますね。A380の就航は2019年春の予定なので、どんなに早くても予約開始は2018年に入ってからになります。今年中に発表すれば良い内容なので、わざわざこの時期にコメントしたということはJALとハワイアンがフルフラット機材を続々と投入してきていることへの対抗策でしょう。フルフラットではない機材で運航しているのはチャイナエアラインANAのみになりますからね。強気にアピールしているということはNH181/182便が767の運航でなくなるのも時間の問題なのでしょう。

JAL

つぎにJALのほうを見てみましょう。

新たな年を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

はじめに、昨年も大変多くのお客さまにJALグループ便をご利用いただきましたこと、改めまして御礼を申し上げます。

社長に就任してから5回目のお正月を迎えました。大みそかは羽田空港にて餅つきイベントに参加後、出発便をお見送りして年を越しました。このあと、「初日の出 初富士フライト」に同乗させていただき新年がはじまります。

初日の出に手を合わせ、1年間の安全運航の堅持をあらためて強く誓ってまいります。

昨年は自然の脅威を目の当たりした1年でした。熊本地震や台風などの被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。これまでもJALは、人々、経済、文化の交流を促進して観光復興に貢献することで東北や九州、北海道を応援してまいりました。引き続き、復興支援を継続するとともに、「地域創生」の担い手として地方自治体とのタイアップやインバウンドの獲得と地方への誘客などにより、農林水産物や特産品の6次産業化など、ブランド力向上のお手伝いを行い、国内・海外双方のマーケットに対して日本の地域活性化に向けたさまざまな取り組みを展開し、交流人口の拡大に努めてまいります。

社内では、多様な人財が活躍できる職場環境づくりに力を注ぎ、ワークスタイル変革やダイバーシティ(多様性)の推進に取り組んでいます。おかげさまで昨年も「なでしこ銘柄」「健康経営銘柄」に選定していただきました。今年も女性活躍をはじめとするダイバーシティを推進し、新しい企画、商品サービスの提供にチャレンジしてまいります。

2017年もさまざまな環境の変化があるかと思います。地域活性化ダイバーシティ推進に加え、2020年東京オリンピックパラリンピック開催に向けてスポーツのすばらしさを広め、また、JALの新たなプログラム「空育(そらいく)」を通じて将来を担う次世代育成を積極的に行ってまいります。

また、昨年国内線においては新仕様機材「JAL SKY NEXT」への改修を完了し、リージョナル機を除く全77機全ての国内線機材において全席本革シートと機内Wi-Fiサービスをお楽しみいただけるようになりました。今年も中長距離国際線における「新・間隔エコノミー」やビジネスクラスでのフルフラットシートを採用した「JAL SKY SUITE」機材への更新をさらに進めるなど、お客さまにさらに快適な空の旅をご提供できるように商品サービスの一層の充実に努めていきます。

そして、快適性と経済性に優れ、環境に配慮した最新鋭航空機への機材更新を着実に進め、収益性と安定性を兼ね備えつつ、航空需要の伸びに適切に対応し、常に成長し続けることで企業価値の向上を目指します。

私たちは安全運航の堅持を大前提に、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」を目指して、社員一人ひとりが真のフルサービスキャリアとして付加価値の高いサービスを提供するよう努めてまいります。引き続きJALグループの翼をご愛顧賜りますよう心よりお願い申し上げます。

2017年元旦

日本航空株式会社

代表取締役社長 植木義晴

https://www.jal.com/ja/outline/new_year.html?m=d04

JALANAとくらべて、さらに無難な内容にとどめていますね。そもそも8.10ペーパーのせいで路線に関するアピールができないので、サービスや社内環境などの話に終始せざるを得ませんから仕方ないです。ただし、現在のJALの一番の強みである収益性・安定性に関するアピールは忘れていません。

まとめ

2017年の挨拶からは特に目新しい情報を読み取ることは出来ませんでしたが、それだからこそANAJALもひと勝負起こりそうだということだと考えることができるかもしれません。